Waves, Part 1
2020年3月に新型コロナウィルス対策の措置として緊急事態宣言が発令された。
以前から海で波の飛沫の写真を撮っていたのだが、 発令後に波をテーマにした作品を作りたくなり西伊豆のアトリエを中心に半島沿いを車で移動し陸から見える 海の風景を撮影した。
海または水を見ることが自分にとって精神のバランスを保つ為に重要なことであると以前から感じていたこと もあり、目の前に起こっている事象に対して海に行くことは必然であった。
Part1は初めての発令後に、そしてPart2は2回目の2021年1月の発令時に制作した。
一作目の津波のように迫り来る大きな波の風景から、二作目では波の恐ろしさというよりも、 海岸沿いに岩や島のようなものが渡航を阻むような表現になっていて、 私自身の心情を反映したものになっている。
ウィルスというものに直接言及するつもりはないが、旅や、移動というものの従来の位置付けが一変してし まった世界が目の前にある以上、波を見る行為を継続することで思考を続けていきたいと思っている。